TOP私たちが実践している3E
私たちが実践している3E
3Eを理念として掲げるのではなく、
実践的に活用。
Evidence based
medicine
EBMの世界にようこそ
~医療に確かな根拠と人間性を~
私達は開院当初からEvidence based medicine:EBMの実践に大きなこだわりを持っています。EBMというとエビデンスに目が向けられがちですが、決してエビデンスのみで治療方針を決めるものではありません。本来のEBMはエビデンス以外にも患者の病状や周囲の環境、患者の意向、臨床経験を取り入れて行わなければなりません。そのためには家庭医療理論や重症疾患・慢性疾患のマネージメント技術が必要であり、私達はそれらの理論・スキルを含めたEBMの実践を行うために日々研鑽しています。
EBMの実践事例
冠動脈疾患で治療歴がある高齢男性がアテローム性脳梗塞を発症して入院した。
幸い後遺症はほぼなく、ADL・IADLともに大きな変化はなかったが、急性期治療後の二次予防として抗血小板薬の選択について悩んだ。もともとアスピリンを内服している中で発症した脳梗塞でありクロピドグレルへの変更を検討した。ある研究ではクロピドグレルがアスピリンと比べ、心血管イベント全体を0.9倍に有意に減らしていた。しかし同研究の対象患者の内訳とその結果を見ると、下肢の末梢動脈疾患の既往がある患者で特にクロピドグレルの効果が大きかったが、冠動脈疾患の既往を持つ患者ではアスピリンの方が有効だった可能性が示唆された。またこの研究は海外のもので、クロピドグレルの効果が乏しい遺伝子多型を多く持つ日本人で同様の効果が得られるかはわからなかった。患者さんは高齢妻、独身の娘と同居しており、経済的には余裕がなかった。患者さん本人は当然脳梗塞の再発を予防したいという気持ちと再発をした場合に自分の家族がどうなってしまうのだろうという不安が強かった。これらの思いを傾聴し、上記の効果の不確実性と薬価の違いを説明した上で当科としてはアスピリンを継続することを推奨する旨をお伝えした。抗血小板薬についてアスピリンを継続することにし、脳梗塞の再発予防という共通のゴールを目指してリスクとなる血圧コントロールをさらに重点的に行っていく方針にした。
Educationの実践
最高の知識を,最高の仲間と。
〜いつか教えられる自分へ〜
私達は実用的で応用のきく知識だけではなく、地域など細やかな指導が受けられない環境でも自立して自己研鑽していくための方法を指導します。また、 学習した内容を共有する事で一人で学ぶより遥かに多くのことを得ると共に、相手への効果的な指導法を獲得できます。JADECOMの全国のリソースを生かした教育も行っています。
Educationの実践事例
初期研修医AがNIHSS 2点の脳梗塞に対しての急性期治療薬の選択に悩んでいた。後期研修医BはUpToDateとDynaMedを使って、NIHSS 3点未満の脳梗塞急性期に対する治療は抗血小板薬2剤併用療法が適しているのではないかと考えた。その点をチーム内の振り返りでも共有したところ、その判断の元となっているものはCHANCE試験、POINT試験であり、目の前の患者に適応しても良いかどうか検討した上で2剤併用療法を開始した。
初期研修医Aはその後抄読会でCHANCE試験を取り上げ、実際に経験した症例と、論文の内容を総合診療科全体でシェアした。
Evolutionの実践
東京北総診流進化論
〜仲間と目指す、更なる高み〜
私達は持続可能な成長を目標として、仲間と支え合いながら常に学び・成長の喜びを得られるようにしたいと考えています。息切れをしてしまうような短期間の進化ではなく、地に足をつけて確実に一歩一歩前進していき、ずっとここで仲間とともにワクワクしながら働いていきたい、それが東京北総診流進化論です。
Evolutionの実践事例
- 勤務後に一緒に食事をする。チーム親睦会をしようとしていたら有志の参加者が増え、結局、総合診療科全体での食事会になる。
- 休日の日、同僚・先輩・後輩とプライベートで遊びにでかける。たまに勉強会に遠征がてら旅行をする。
- 重症患者が入った時は、連絡しなくてもみんな助けに集まってきてくれる。
- 理想の研修を目指して、カンファレンスやレクチャーの内容、進行を現在の科のニーズにあわせて専攻医がメインとなって改善し続けている。当科の研修にもっと必要と思える内容は外部の勉強会へ有志で参加している。
- 病院へ徒歩圏内に社宅がある。
- 育児休暇取得後、年度途中で復職した。認可保育園は年度途中からの入園は困難だったが、院内保育園に預けることで希望通りに復職できた。
- EBMを実践したい方
- 「患者全体を診る」診療医師を目指している方
- 総合診療科が確立している体制の上で医師として活躍したい方
- 病院総合診療医を目指している方
- 家庭医として地域で活躍したい方
- 離島やへき地の診療所で活躍したい方