東京北医療センターではこれまでにも多くの初期研修医、後期研修医を受入れ、全人的医療を実践できる専門医を送り出してきました。新専門医制度に移行しても、その方針は変わりません。
新専門医制度に移行後は、専門医資格は必要不可欠になると考え、専門医資格の取得を最低条件のミッションとして準備を進めてきました。そして専門医資格の取得ができる十分な研修プログラムと、研修体制を整えることが出来たと自負しております。
当センターが基幹病院として行う研修は内科、小児科、総合診療の3科のプログラムを予定しています。さらに連携施設として、外科、整形外科、産婦人科、耳鼻咽喉科、泌尿器科、脳神経外科、麻酔科の7科のプログラムを行い、合計10科の基本領域を用意していく方針です。
基幹病院としての研修を中心に行いますが、プログラムによっては連携施設として公益社団法人地域医療振興協会で運営・管理をしている全国の病院や、基本領域の基幹病院となっている大学病院などと連携することで、専門医資格を取得できる病院群を構成しました。
サブスペシャリティ領域についても、内科の消化器、循環器、血液を予定しています。その他の科のサブスペシャリティについては現在検討中ですので、決まり次第ご案内させて頂きたいと思います。
東京北医療センターでは離島・へき地などの医療支援に力を入れていますので、先駆的な総合診療プログラムを用意して実践的な研修を行わなければならないと強く考えています。さらに総合診療専門医としては、内科・救急・小児科の経験が必要となり、さらに外科についての経験が必要となる可能性があります。また外来・入院・救急・在宅と多岐にわたる研修環境が必要となるでしょう。
東京北医療センターでは、当センターが中心となり公益社団法人地域医療振興協会の全国で運営・管理している診療所・病院ネットワークを活用し、総合診療専門医資格の取得を行うと同時に、ダブルボードの取得を目指す研修環境を提供します。
新専門医制度では総合診療専門医のへき地等での地域研修期間を1年以上とする検討が行われ、地域研修がより重要となっていきます。当センターでは専門医資格の取得を最低条件としながら、本物の地域医療を経験できる地域研修となるように、全国の63の施設を運営する公益社団法人地域医療振興協会のネットワークを活かし、基幹病院での研修と、離島・へき地での地域研修を連携して行います。基幹病院と離島・へき地の研修施設・指導医が連携することで、専門医資格取得を目指す一貫した専門医研修とします。
これまでに行った後期研修環境では、専門医資格取得に必要な経験が十分に出来ず、専門医資格を取得できないまま研修義務期間が終了してしまった専攻医の方もいらっしゃると思います。
新専門医制度のもとで、改めて専門医資格の取得を目指す方についても、これまでの研修期間の経験を活かしながら、専門医資格の取得を目指してください。
当センターでは専攻医が中心となって診療や手術を行い、指導医はサポートを行います。熱心な指導医が多く相談しやすい環境の下で多くの経験をすることができるでしょう。
より多くの経験は専門医資格の取得に必要なだけでなく、全人的医療を実践する専門医の育成を行うためにはとても重要な事だと考えています。
当センターでは先に述べた様に離島・へき地などの医療支援に力を入れています。地域医療の現場では、家庭医としてのスキルや、地域包括ケアの中心として活躍しなければならない場面もあるでしょう。そのような本物の地域医療を経験することは、専門医資格の取得だけでなく、今後の貴重な経験となるはずです。
当センターの研修センターを中心に新専門医制度開始に向けて準備を進め、専門医の資格取得が十分できる研修体制を整えてきました。
また、2017年4月には血液に関わる様々な診療を行う「血液内科外来」と、それに伴い「国際骨髄腫先端治療センター」を新しく開設する予定です。さらに、2017年8月には高度急性期を強化するため「HCU(高度治療室)」を新設していきます。先進的な医療を経験することはとても大切だと考え、これからも地域の医療ニーズに合わせて研修環境設備などの充実化を図っていきます。
当センターでは診療科の枠を超えてどのような指導医にも相談することがき、専攻医同士のコミュニケーションを行いやすくするための専攻医専用の部屋を用意しいています。
当センターの指導医を含む医師、専攻医同士、専攻医をサポートする様々な病院スタッフ、そして多くの患者様やご家族様との出会いから、「専門医」として、さらに「人」として多くを学び成長しほしいと考えています。
東京北医療センターの充実した研修体制を活かして専門医資格を取得し、その後は専門医としてより高い専門知識、技術の習得をして頂きます。さらに全人的な医療を実践する専門医を目指し、全国の地域医療を経験することも可能です。離島・へき地などの医療支援に力を入れている当センターとしても、また医療課題である医師の地域偏在、診療科偏在の状況では、あらゆる環境で活躍できる専門医がさらに必要となるでしょう。生涯地域医療に従事しなければならないのではなく、
を目指してほしいと考えています。都会では高い専門性を発揮するブラックジャック、そして離島・へき地などでは地域の方々に寄り添って総合診療を行うDr.コトーのような専門医を目指してほしいと思っています。