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私たちの診療Tips

当科の診療からの学びをおすそ分けします。適宜更新しますので、お役に⽴てたら嬉しいです!
なお、紹介したエビデンスは⾃分の患者さんに当てはまるかは検討が必要ですのでご注意を。

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早期中止試験

「このRCTは予定された効果を上回ったので予定よりも早く中止された」
なんて甘美な響きでしょうか.
でもこの早期中止試験こそ,効果が劇的に見えてしまうバイアスが入っています.
今回は早期中止試験のポイントを批判的吟味のポイントとあわせて紹介します.
クモ嫌いはごめんなさい.

研究デザイン

どんな情報を知りたいかによって,見るべき研究は違います.
例えば
・治療,予防→ランダム化比較試験(RCT),システマティック・レビュー/メタアナリシス(SR/MA)

・危険因子・予後・害→コホート研究,,システマティック・レビュー/メタアナリシス(SR/MA)

・診断→横断研究,,システマティック・レビュー/メタアナリシス(SR/MA)

・害→症例対照研究
これらは介入/観察,前向き/後ろ向き,縦断/横断という3つの軸で大きく分類することが可能です.

部分的ですが,イメージ図を共有します.

EBMの5つのステップ

EBMの5つのステップ.

まずこれを知ることから始まります.

なんとなく枠組みをおさえたら,各ページへどうぞ.
私たちが学んだTIPSを共有します.

STEP4の4要素

STEP4はエビデンス,病状と周囲の環境,本人の意向,医療者の臨床経験の4つの要素を検討します.

ここでも,患者さんの価値観が重要になってきます.

またコストに関しては漏れやすい視点ですので注意が必要です.コストは薬剤などの介入,検査に伴うものもそうですが,介入しなかった場合に起こるアウトカム発生によるコストも重要です.コストはお金の話だけでなく,介護負担なども入ります.

臨床経験は非常に大事です.事前確率の設定や,介入のフォローの仕方,エビデンスがない介入の実感などは臨床判断するにあたっては欠かせません.

詳細は南郷栄秀先生のThe SPELLの「はじめてアプリシート」(http://spell.umin.jp/EBM_materials_BTS.html)にありますが,おおよその検討事項についてスライドで共有します.

 

真のアウトカムとは?

STEP1で臨床の疑問をPICOで定式化する際には,Outcomeが”真の”アウトカムかどうかが重要です.
例えば,
P:脳梗塞で嚥下障害があり,経口摂取ができない83歳男性が

I:胃ろう造設術を受けるのは

C:受けない場合に比べ

O:
どのくらい余命が伸びるか?
処置がつらいか?
感染が少ないか?多いか?
お金がかかるか?
介護の負担が多いか?
自宅に帰れるか?

 

など,たくさんのアウトカムがあると思います.

 

その中で患者さん本人が何を重要視しているか(”真の”アウトカム)によって,探すべき情報源が全く異なります.

お金のことをメインにしている人には,ひょっとすると余命延長は優先順位が下がるかもしれず,生命予後を検討した研究を探してもしょうがないかもしれません.

ですので,その患者さんが何を重要視しているかの”真の”アウトカムが何かを検討しましょう.

これは本人のライフヒストリー,価値観の聴取が必要ですので,教科書やPCなどではなく患者さんと向き合うことが必要です.

代表的なPICOの種類と立て方

疑問の定式化でPICOを立てるときに,知りたい疑問によって立て方が違います.

治療,診断など,代表的な6つのカテゴリのPICOの立て方を共有します.

 


治療効果の定量的な見方

EBMでは定量的に「どのくらい効くの?」と考えるのが重要です.

そのための視点には相対評価(比や割合での効果の表し方),絶対評価(差での効果の表し方)の2種類あります.

買い物で言えば

・「セール中!今なら20%OFF!」→これは%で割合なので相対評価になります.

・「お電話お急ぎください!今なら2000円引き!」→これは引き算なので絶対評価になります.

同じ研究結果でも相対評価,絶対評価の2種類の表現の仕方があることに注意です.

STEP2

・情報には一次資料(原著論文),二次資料(原著論文などをまとめたもの),マニュアルを含めた教科書などがある.

・当科の日常診療でメインで使用しているのはUpToDate, DynaMedなどの二次資料である.

しかしその二次資料の使い方にはコツがあり,それをon the jobで共有しながら学んでいる.

・一次資料やそれを検索するPubMedは,日常診療の中では情報量が多いことと,その情報が玉石混交なためそこまで使っていない.それらを使うのは二次資料でも情報が不足しているときや,自分のアクションを変えるようなエビデンスに出会ったときが多い.

STEP3

・批判的吟味した研究結果を過度に一般化することはしない.あくまでその研究の中の結果であることは忘れない.
当科抄読会で論文を読んだとしても,「◯◯で☓☓な患者さんではこの研究結果が使えるかもしれない」という結論になる.
そのため,論文のPICOと背景因子(Baseline characteristics)はよく読み,研究の対象となった患者さん達をイメージすることが重要である.

・論文の批判的吟味の方法については城東病院 総合診療科の南郷栄秀先生のホームページ(The SPELL)が詳しく,当科の抄読会でも同サイトの批判的吟味用のフォーマットである「はじめてシート」を用いている(http://spell.umin.jp/EBM_materials_BTS.html)

STEP5 振り返り

振り返りでは

・STEP1~4が適切に行えていたか?

・最終的に患者さんのアウトカムは達成できたか?

を中心に行う.

やっていることは総合診療の省察と同様で,そこからClinical pearlsなど生み出すとさらによい.

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