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私たちの診療Tips
当科の診療からの学びをおすそ分けします。適宜更新しますので、お役に⽴てたら嬉しいです!
なお、紹介したエビデンスは⾃分の患者さんに当てはまるかは検討が必要ですのでご注意を。
ベーチェット病
・静脈性の血栓イベントは,動脈系よりも多い.ベーチェット病の静脈血栓症のリスクはコントロール群と比べ14倍(Rheumatology . 2001;40:652. )
- E_免疫/アレルギー/膠原病 ベーチェット病
- 2021.03.15
心房細動
・心房細動に対するアスピリンの脳梗塞予防効果はプラセボ/未治療と比べ,RRR 19%(95%CI -1.0~35), 1年のARRは一次予防で0.8%,二次予防で 2.5%だった(Ann Intern Med. 2007;146(12):857)
・脳梗塞ハイリスク患者に ILR を装着しても,心房細動は多く発見できたが,抗凝固薬導入による塞
栓症の予防効果までは示されなかった(Lancet. 2021;398:1507-1516. PMID:34469766)
薬剤熱
・比較3原則(比較的徐脈,比較的元気,比較的炎症反応が低い)が特徴と言われているが....
・典型と言われている比較的徐脈の頻度は実は10%程度(Ann Intern Med. 1987;106:728)
・比較的元気と言われているが,重症感を伴う症例もある.
・悪寒戦慄を伴う症例が40%報告(Ann Intern Med. 1987;106:728)
・皮疹は18%(Ann Intern Med. 1987;106:728)
化膿性脊椎炎
・血液培養陽性率は30-78%(Semin Arthritis Rheum.2009;39:10)
副腎不全
■診断
・ACTHは,室温では血液中で不安定であり,血球および血小板の酵素によって切断され測定値が低下する.血液の採取方法と血漿の調製方法と保管方法は,測定されたACTH濃度に著しく影響する可能性がある.一般に,ACTH血液サンプルをEDTAが入った採血管に取り,血漿サンプルの遠心分離分離,凍結まで氷上に保つことを推奨する.
・正常な被験者と副腎障害の患者は,ACTH分泌増加によりストレスに迅速に反応する可能性がある.このため,血液サンプルは留置針またはカテーテルで採取する必要がある.静脈穿刺で2〜3分以上かかるサンプルの測定値が高い場合は注意して解釈する必要がある.同様に,患者が新しい環境に慣れる前の入院後の最初の夜に,睡眠後の値を取得しないことが最善である.
UpToDate>Measurement of ACTH, CRH, and other hypothalamic and pituitary peptides(2020/6閲覧)
・重症患者での副腎不全(Critical Illness Related Corticosteroid Insufficiency)
以前に相対的副腎不全と呼ばれていた.ステロイドの需要に共有が追いつかないと発症する.
診断基準は明確なものはないが,コルチゾール34μg/dl以上では可能性は低そう(通常の副腎不全のカットオフは18とされている).最終的には臨床状況とステロイドへの反応で診断する(Shock 2003;19:13),
- 5.疾患別Tips C_内分泌代謝/栄養 副腎不全
- 2020.12.02
鉄欠乏性貧血
■診断
・フェリチンのIDAに対する検査性能は
≤ 15 mcg/L→LR 52
15-25 mcg/L→LR 8.8
25-35 mcg/L→LR 2.5
35-45 mcg/L→LR 1.8
45-100 mcg/L→LR 0.5
≥ 100 mcg/L→LR 0.08
・鉄飽和度(TSAT)のIDAに対する検査性能は
<5 %→LR 10.5
5-9 %→LR 2.5
10-19 %→LR 0.81
20-29 %→LR 0.52
30-49 %→LR 0.43
> 50 %→LR 0.15
( J Gen Intern Med 1992 ;7:145)
■治療
・鉄剤内服は毎日よりも隔日の方が吸収がよいかもしれない(Lancet Haematol. 2017;4(11):e524)
アナフィラキシー
・迷走神経反射との鑑別
失神・腹部症状でアナフィラキシーと迷走神経反射は鑑別が難しいときがある.
迷走神経反射では顔面蒼白で,他の皮膚症状,呼吸器症状はない.徐脈気味になる.臥位で回復する
アナフィラキシーでは顔面紅潮で頻脈傾向
(World Allergy Organ J. 2011 ;4:13-37.UpToDate>Differential diagnosis of anaphylaxis in adults and children.2020年11月閲覧)
- 5.疾患別Tips E_免疫/アレルギー/膠原病 アナフィラキシー
- 2020.11.16
腸球菌菌血症の治療
単一の血液培養で腸球菌が検出された状況では,敗血症の臨床的証拠がない場合や,多菌種感染症でより毒性の高い微生物を狙った抗菌薬治療で改善している患者の場合には,腸球菌菌血症に対する治療は延期してもよい.(Rev Infect Dis.1989;11:74. Rev Infect Dis.1991;13:600.)
血管内カテーテルが菌血症の原因である可能性が高い状況では,カテーテルの除去だけで感染を治すことができる.ただし,発熱がある場合は,腸球菌の検出後,追加の血液培養を行い結果を待つ間,経験的に抗菌薬投与を開始する必要がある.このような治療は,症状が軽快し弁の異常が見られない(IE所見がない)場合,通常5〜7日後に中止できる.
E.facalis以外の腸球菌性細菌血症のほとんどの症例は心内膜炎とは関連しない.E.facalis菌血症の患者における心内膜炎の相対リスクは高いが,それでも比較的低い.(Infection.2004;32:72.)
鼠径部痛
■鼠径部痛の鑑別は
・股関節内病変:外傷,炎症,感染,腫瘍
・股関節外病変:恥骨病変(恥骨結合炎など),仙腸関節病変,腰椎病変からの神経根症状,腸骨鼠径神経/閉鎖神経の絞扼,筋腱症
・筋骨格系以外:腹部・骨盤内病変(特に泌尿生殖器)
(UpToDate>Approach to hip and groin pain in the athlete and active adult. 2020/9月閲覧)
化膿性関節炎に対する関節液の診断特性
・白血球数(WBC)>50000/ μLで化膿性関節炎を示唆するが,結晶性関節炎を除外することはできない.多核球分画> 90%は敗血症性関節炎の可能性の増加と関連している可能性がある.
・グラム染色は成人症例の約50%〜67%で陽性.グラム染色陰性は敗血症性関節炎を除外しない.
・関節液培養はグラム染色との組み合わせにより患者の67%で原因菌を特定しうる.非淋菌感染症の患者の90%,淋菌感染症の患者の25%〜70%,結核菌感染患者の80%で関節液培養は陽性になる.
Lancet. 2010;375:846.
白血球数<25000 LR 0.32 (95% CI 0.23-0.43)
白血球数≧25000 LR 2.9 (95% CI 2.5-3.4)
白血球数>50000 LR 7.7 (95% CI 5.7-11.0)
白血球数>100000 LR 28.0 (95% CI, 12.0-66.0)
多核球分画>90% LR 3.4 (95% CI 2.8-4.2)
多核球分画<90% LR 0.34 (95% CI 0.25-0.47)
JAMA. 2007;297:1478.
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