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私たちの診療Tips
当科の診療からの学びをおすそ分けします。適宜更新しますので、お役に⽴てたら嬉しいです!
なお、紹介したエビデンスは⾃分の患者さんに当てはまるかは検討が必要ですのでご注意を。
限局性筋炎
限局性筋炎は,主に腓腹筋に起こる限局的な腫瘤様の腫脹,痛みで発症する稀な筋炎.
CKや炎症反応の上昇を伴わないのを特徴とする.通常,脱力や感覚障害や関節炎を合併しない(Neuromuscul Disord. 2016 ;26:725-733)
- 5.疾患別Tips E_免疫/アレルギー/膠原病 限局性筋炎
- 2024.04.15
椎骨脳底動脈解離
・椎骨脳底動脈解離は運動を誘引とするが,頭痛症状自体も頭部の動きで悪化する(Headache 1994;34:187)
色々欠乏症
・銅欠乏による脊髄障害は頚髄,胸髄に起こる.MRIで異常が出ないこともある(UpToDate>Copper deficiency myeloneuropathy 2022/3/19閲覧)
・銅欠乏は亜鉛補充によって吸収が競合され起こることがある(UpToDate>Copper deficiency myeloneuropathy 2022/3/19閲覧).そのため銅欠乏の治療では亜鉛を止めることも入る.
・銅欠乏の治療は日本では薬剤がなく,ココア飲用する.まずは1日8mgの元素銅補充する(UpToDate>Copper deficiency myeloneuropathy 2022/3/19閲覧).ココアは銅 0.9mg/1袋(もちろん製品による)なので1日8杯からを目安にする.
・カルニチン欠乏は日本人の血液透析患者で4年以上透析を受けていると特に起こりやすい(Nutrients. 2020 ;12:3371).症状としては筋力低下,心機能低下,透析中の血圧低下,貧血などがあり,治療で改善することがある(Seminars in Dialysis 2001; 14,: 209).また低血糖を起こす報告もある(Intern Med .2016;55:365)
溶血性貧血
溶血性貧血を疑う場合,ビリルビン上昇の基準上限は患者のヘマトクリットを45で割ったもの.
一見基準範囲内でも,実は上昇している場合があり,ヘマトクリットの補正をしなければならない.また溶血での高ビリルビン血症は通常T-Bil 4未満.(Disease Markers 2015; Article ID 635670)
横紋筋融解症
筋トレ後の四肢の浮腫は運動誘発性横紋融解症(+リンパ浮腫)の可能性がある(さらに!一発診断100.宮田靖志.文光堂.2019).上肢DVTのPaget–Schroetter 症候群が鑑別.
- 5.疾患別Tips M_整形外科/皮膚科 横紋筋融解症
- 2024.02.05
膵炎
・Groove膵炎は十二指腸下行脚と膵頭部/総胆管の間の溝(groove)に起こる膵炎.急性~慢性の経過をたどる.アミラーゼが上がらないことが多く(!),画像的に診断されることが多い(Am J Roentgenol. 2013 ;201(1):W29-39.)
・急性膵炎は,稀だが血管系の疾患による虚血でも起こる.大動脈解離(日消誌 2011;108:103),心臓カテーテル検査などによるコレステロール塞栓(Arch Intern Med. 1994 ;154:1755),血管炎(Semin Arthritis Rheum. 1989;19:158)などが報告されている
胆嚢捻転症
・胆嚢捻転症は高齢女性のイメージがあるが,実は10代までの若年男性も隠れた好発年齢である.(J Hepatobiliary Pancreat Surg.1999;6:418)
・高齢女性が内臓脂肪の減少による胆嚢の支持が少なくなることで発症するのに対して,若年では先天性の遊走胆嚢が原因になる(日外会誌 2020;121:517)
TAFRO症候群
・TAFRO症候群で血小板減少がない患者が約5%いる(Annals of Hematology 2018;97:401)
アニサキス症
・小腸アニサキスは限局的ま腸重積が有名だが,より広い範囲の小腸の浮腫・拡張を起こしイレウスの原因になる(Case Rep Infect Dis 2013;2013:401937. PMID: 2445534)
RS3PE症候群
・RS3PEは悪性腫瘍合併例が20%,後から腫瘍が見つかる例ではRS3PEと診断されてから2年以内に腫瘍が見つかることが多い.(Curr Rheumatol Rep 2015;17:49)
・報告数は少ないが,悪性リンパ腫,白血病,MDSなどでもRS3PE症候群になる(Eur J Gen Med 2004;1:3)
- 5.疾患別Tips E_免疫/アレルギー/膠原病 RS3PE
- 2023.11.07
- EBMを実践したい方
- 「患者全体を診る」診療医師を目指している方
- 総合診療科が確立している体制の上で医師として活躍したい方
- 病院総合診療医を目指している方
- 家庭医として地域で活躍したい方
- 離島やへき地の診療所で活躍したい方