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私たちの診療Tips
当科の診療からの学びをおすそ分けします。適宜更新しますので、お役に⽴てたら嬉しいです!
なお、紹介したエビデンスは⾃分の患者さんに当てはまるかは検討が必要ですのでご注意を。
高アンモニア血症
・肝疾患以外の高アンモニア血症
バルプロ酸,化学療法などの薬剤性
過栄養
手術
尿路感染
late-onset 酵素欠乏症(尿素サイクル異常症)
痙攣
多発性骨髄腫
(Am J Med.2010;123:885)
・高アンモニア血症でも片麻痺が起こり,脳卒中ミミックになる(Pract Neurol. 2020 Dec 11:practneurol-2020-002654)
ステロイドの副作用
・ステロイドを使用するとLDL,HDL,中性脂肪が増加する(Cardiovascular Research 2004;64:217)
色々欠乏症
・銅欠乏による脊髄障害は頚髄,胸髄に起こる.MRIで異常が出ないこともある(UpToDate>Copper deficiency myeloneuropathy 2022/3/19閲覧)
・銅欠乏は亜鉛補充によって吸収が競合され起こることがある(UpToDate>Copper deficiency myeloneuropathy 2022/3/19閲覧).そのため銅欠乏の治療では亜鉛を止めることも入る.
・銅欠乏の治療は日本では薬剤がなく,ココア飲用する.まずは1日8mgの元素銅補充する(UpToDate>Copper deficiency myeloneuropathy 2022/3/19閲覧).ココアは銅 0.9mg/1袋(もちろん製品による)なので1日8杯からを目安にする.
・カルニチン欠乏は日本人の血液透析患者で4年以上透析を受けていると特に起こりやすい(Nutrients. 2020 ;12:3371).症状としては筋力低下,心機能低下,透析中の血圧低下,貧血などがあり,治療で改善することがある(Seminars in Dialysis 2001; 14,: 209).また低血糖を起こす報告もある(Intern Med .2016;55:365)
解熱剤
・発熱に対して解熱剤で解熱することは感染症,非感染症にかかわらず,死亡率や有害事象に影響がない(BMJ. 2022 ;378:e069620)
浮腫
・一般的な肝臓,腎臓,心臓,甲状腺以外に稀な疾患として,肺疾患からの右心不全,蛋白漏出性胃腸症(浮腫+低アルブミン),POEMS症候群(多発神経炎+浮腫),idiopathic systemic capillary leak syndrome(感冒後に1週間程度の全身浮腫),悪性リンパ腫,皮膚筋炎/多発筋炎,薬剤,低栄養,婦人科疾患がある(JIM2014;24:130)
・カルシウム拮抗薬(CCB)による浮腫にはループ利尿薬は効果がない.CCBにACEI/ARB,レニン拮抗薬を併用するとCCBによる浮腫の頻度は下がる(UpToDate>Major side effects and safety of calcium channel blockers.2021/10月閲覧)
喫煙
・禁煙した人は喫煙中の人と比べて,5年間以内に心血管イベント(心血管死,脳卒中,心筋梗塞,心不全)がHR 0.61(0.49-0.76)に減った(JAMA. 2019;322(7):642)
NSAIDsの副作用
・NSAIDsによる小腸・大腸の粘膜障害を見当したRCTではセレコキシブ vs ナプロキセン+PPI vs プラセボの2週間後で16% vs 55% vs 7%だった(Clin Gastroenterol Hepatol. 2005;3(2):133. )
- 5.疾患別Tips NSAIDsの副作用 O_その他
- 2021.03.30
薬剤熱
・比較3原則(比較的徐脈,比較的元気,比較的炎症反応が低い)が特徴と言われているが....
・典型と言われている比較的徐脈の頻度は実は10%程度(Ann Intern Med. 1987;106:728)
・比較的元気と言われているが,重症感を伴う症例もある.
・悪寒戦慄を伴う症例が40%報告(Ann Intern Med. 1987;106:728)
・皮疹は18%(Ann Intern Med. 1987;106:728)
鼠径部痛
■鼠径部痛の鑑別は
・股関節内病変:外傷,炎症,感染,腫瘍
・股関節外病変:恥骨病変(恥骨結合炎など),仙腸関節病変,腰椎病変からの神経根症状,腸骨鼠径神経/閉鎖神経の絞扼,筋腱症
・筋骨格系以外:腹部・骨盤内病変(特に泌尿生殖器)
(UpToDate>Approach to hip and groin pain in the athlete and active adult. 2020/9月閲覧)
- EBMを実践したい方
- 「患者全体を診る」診療医師を目指している方
- 総合診療科が確立している体制の上で医師として活躍したい方
- 病院総合診療医を目指している方
- 家庭医として地域で活躍したい方
- 離島やへき地の診療所で活躍したい方