TOP私たちの診療Tips
私たちの診療Tips
当科の診療からの学びをおすそ分けします。適宜更新しますので、お役に⽴てたら嬉しいです!
なお、紹介したエビデンスは⾃分の患者さんに当てはまるかは検討が必要ですのでご注意を。
血小板減少症
・薬剤性血小板減少症では被疑薬中止後1-2日以内に血小板が回復傾向になり,1週間で正常に戻る(UpToDate>Drug-induced immune thrombocytopenia.2020/5月閲覧)
・入院患者の血小板減少で多いのは薬剤性と感染症.ヘパリン起因性血小板減少症(HIT)の発症は1%程度.(Hematology Am Soc Hematol Educ Program. 2012;2012:191.)
・敗血症は重症患者の血小板減少の原因の約半数を占め,DICの有無に関連なく発症する.(Blood;128:3032.)
・HITを疑うときは4Tスコアを参考にする.カットオフ値を4点以上とした場合の感度0.99,特異度0.54,陽性尤度比2.15,陰性尤度比0.02.(Blood;120:4160)
・輸血後紫斑病
血小板減少が起こる1-2週間前に輸血されている場合は輸血後紫斑病の可能性がある.女性,妊婦で多い.RBC輸血によるものが最多.しかし,超絶レア.(UpToDate>Immunologic transfusion reactions. 2020/8月閲覧)
血沈亢進
ESR値は年齢とともに著しく増加する.(Arch Ophthalmol. 1976;94:939.)年齢補正式があり,参照範囲の上限は,男性の場合は(年齢)/ 2,女性の場合は(年齢+ 10)/ 2である(Br Med J (Clin Res Ed). 1983;286:266.)
末期腎疾患(ESKD)またはネフローゼ症候群のほとんどすべての患者でESRは上昇し,血液透析の影響を受けない(Am J Kidney Dis. 1987;10:34).ESKD患者の60%近くがESR 60 mm /時を超え,20%は100 mm /時を超えることもある.
偽性高カリウム血症
血小板増加症の正常カリウム血症患者では,測定された血清カリウム濃度がはるかに大きく,血小板数の100,000 / μLの上昇あたり約0.15 mmol / L上昇する.血清高カリウム血症は,血小板数が500,000 / μLを超える患者の1/3で発生しうる.ヘパリン採血による血漿中のカリウム濃度は正常となるため,ヘパリン採血による血漿Kの測定で偽性高カリウム血症を確認できる.(UpToDate>Causes and evaluation of hyperkalemia in adults 2020/5 閲覧)
(Am J Kidney Dis. 1988;12:116)
葉酸欠乏症
・葉酸欠乏症の原因にST合剤がある(UpToDate>Causes and pathophysiology of vitamin B12 and folate deficiencies 2020/3に閲覧)
- EBMを実践したい方
- 「患者全体を診る」診療医師を目指している方
- 総合診療科が確立している体制の上で医師として活躍したい方
- 病院総合診療医を目指している方
- 家庭医として地域で活躍したい方
- 離島やへき地の診療所で活躍したい方